賠償額増額のポイント

賠償額増額のポイント

★ポイント1:裁判基準の厳密な適用

交通事故の解決基準、損害額を算定するのにはいくつか基準があります。その基準によって金額が大きく変わります。賠償額・保険金を算定するには大きく 3つの基準があると言われています。金額が高い順に、裁判基準>任意保険基準>自賠責基準 となると言われています。もっとも、任意保険基準は自賠責基準とほぼ同じ程度と言われていますので、結局のところ、 裁判基準 > 任意保険基準 ≧ 自賠責基準 ということになります。


●裁判基準、任意保険基準、自賠責基準とは

裁判基準とは、法律(民法)上の基準で、長年にわたる交通事故訴訟の蓄積により構築された、裁判所で適用される基準のことをいいます。これに対し、任意保険基準とは、損害保険会社が独自に有する損害額の算定基準をいいます。また、自賠責基準とは、自動車損害賠償保障法(施行令)の基準のことをいいます。


●損害保険会社の基準は任意保険基準

大事なことは、損害保険会社は、各社が有する任意保険基準にしたがった金額で、保険金の支払いをする又は示談を提示してくるということです。任意保険基準は、自賠責基準とほぼ同等ですから、結局のところ、損害保険会社の提示してきた保険金支払額は、最低額に近い金額を提示してきていることが多いということです。なお、任意保険基準は、平成9年まで、統一基準というものがありましたが、独禁法違反の指摘を受けて、現在は廃止されています。


●裁判基準と自賠責基準は大きく異なる

上のイメージ図でご覧いただいたように、自賠責基準と裁判基準は大きく異なります先ほどのイメージ図は後遺症害の慰謝料を例にとってご説明しましたが、そのほかにも、入院慰謝料も大きく異なりますし、また死亡した場合の葬儀費用についても裁判基準であれば原則150万円ですが、自賠責基準であれば原則60万円と、大きな違いがみられます。


●訴訟をしなくても裁判基準並みの金額で示談できる可能性

裁判基準は、あくまで裁判所において適用される基準ですから、厳密な適用を求める場合には、しっかりとした証拠により、損害や因果関係等を立証しなければなりません。しかし、交渉次第では、訴訟提起しなくても、裁判基準並みの金額で示談できる可能性があります。


★ポイント2:書類の不備、検査・診療の不足

適正な賠償額を受け取るためには、なによりも関係書類の準備と精査が必要です。特に、初期治療を受けていた医療機関と後遺症害診断書作成医療機関が異なる場合初期治療を受けていた箇所がきちんと後遺症害診断書に記載されていなかったり、記載が不十分であったりします。このような、不十分な診断書に基づいて示談をしてしまわないように、弁護士がきちんとチェックをいたします。

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